これもどこかで書いておかなければと思い、メモ

TVアニメ「ご注文はうさぎですか??」公式サイト 

ご注文はうさぎですか? - Wikipedia 

まんがタイムきらら系ゆるふわ日常アニメとして「きんいろモザイク(きんモザ)」と並ぶ作品「ごちうさ」
「ごちうさ難民」「あぁ~心がぴょんぴょんするんじゃぁ~」といった名言でもおなじみとなりました

難民とは [単語記事] - ニコニコ大百科 
> あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~とは[単語記事] - ニコニコ大百科 


今回は、2期ED「ときめきポポロン♪」が、いかに破壊力が高く危険かを、映像のカメラワークに注目してご説明したいとおもいます


30分というアニメの最後に流れるEDは、「また一週間の日常に戻る”出口”」という意味合いがあります。休日の終わりを告げるサザエさんみたいなものですね。特にごちうさ2期EDでは、通常のアニメ以上にこの感傷が強く感じられます。

なぜなのか。

理由は、卓越したカメラワークにあります


■ 1期EDについて

1期ED「ぽっぴんジャンプ♪」は、トランプを上から写したシンプルな映像でした。
ご注文はうさぎですか? ED - YouTube

パーッと流れるカードにたまにキャラが描かれている映像。
カメラアングルは、テーブルに置かれたトランプを上から写した映像、つまり「大人の目線」になります。
「楽しかった子供の時間は終わり。ここからは大人として現実世界に帰るのですよ」というメタファー 
ティッピー以外のキャラがジョーカー、ジャック、クイーン、キングと、カードの中でも強い絵柄である点も意味があるかもしれません。
このように、1期EDは「非日常」と「日常」の区切りとして、うまく機能していました。


■ 2期ED「ときめきぽぽろん♪」

ときめきぽぽろん♪ - YouTube 

これが非常に危険。
歌は1期と同じくチノ、マヤ、メグの「チマメ隊」なのですが、映像はアニメパート、止め絵のイラストなど、1期よりも格段に豪華になっています

映像の冒頭、チマメ隊が登校するカット。カメラワーク的には「通勤するごちうさおじさん(仮称)を、歌いながら追いかけてくるチノちゃん」という一人称視点です。

その後、メグ、マヤの順にフレームイン。この後が凄い。視点がグルっと3人の後ろに回り込むと同時に、グッと3人と同じ目線に下がるんです。ここまでカット無しの長回し映像。つまり、わずか20秒で「子供に戻って、三人を追いかける」という幻想にすり替わるのです。映像ドラッグか。

意図的にか、無意識にかは分かりませんが、本来「日常への回帰」を想起させるべきEDがその役割を放棄し、ごちうさの世界に精神を捕縛して離さない。帰さないんです。絵コンテの天衝氏を始め、スタッフは相当この映像を作りこんでいる
ときめきポポロン♪とは (トキメキポポロンとは) [単語記事] - ニコニコ大百科 

そのあとのカットは、イメージ映像を挟みつつ、チマメ隊の3人に囲まれる目線。いってみれば視聴者が4人目のチマメ隊。
サビの「ぴゅぴゅんって飛び出した」のうさぎダンスのカットでの距離感もすごい。概算ですがだいたい15cmぐらいまでカメラが寄っているのではないでしょうか

「 キラキラ舞い踊る」あたりでは、さらに視点が下がります。しかも、いやらしい感じのローアングルではなくて、カメラがゆっくり後退しています。つまり、後ろ歩きする視聴者を三人が飛び跳ねながら追いかけてくる構図。

ラストカットは、夕暮れの帰り道。カメラの視点は低いまま。しかもそれまではチマメ隊が追いかけてくる構図だったのが、このカットでは逆に「3人の背中を目で追うアングル」に変わります。もう、ごちうさおじさん、心は幼稚園児ですよ

かろうじて、おまけでチノちゃんのジャンケンが挿入されますが、これも1期の「トランプ」と対象的な「子供の遊び」

こんなの…日常に帰れるわけがないじゃないですか!

げんばからは いじょうです