2017年冬アニメで不思議な注目を浴びている「けものフレンズ」
けものフレンズプロジェクト|公式サイト 

動物の擬人化というコンセプトがズートピアと似ているということで、今回はその側面から、けものフレンズの分析をしてみましょう

「けものフレンズ」の詳しい解説は省略するとして、一行で表すとこんな感じ・
・廃墟となったサファリパーク「ジャパリパーク」に住む動物少女たちのドタバタ冒険ストーリー。人間(?)の女の子「かばんちゃん」と、パークの謎を探ってゆくアドベンチャーです。ビジュアルはやや人間寄りですが、生態やストーリーは限りなく動物に近いものとなっています。

ズートピア」は、擬人化された動物世界での、警察官を目指すウサギのジュディの出世物語。ビジュアルや性格は限りなく動物に近いのですが、ストーリー自体は刑事ドラマそのもの。


わかりやすく表現すると
 けものフレンズ:人の姿で動物の生態を描く
 ズートピア:動物の姿で人間の社会を描く
という、逆の表現手法が用いられています。

これが顕著になるのは、けもフレ2話「じゃんぐるちほー(ジャングル地方)」のコツメカワウソちゃんの登場。
カワウソちゃんの「遊び」が、「木のすべり台で水にダイブする」「石を手のひらで転がす」「たーのしー!」という、野生動物における「遊び」そのもの。「けもの」のIQの低さに、視聴者が驚かされるターニングポイントとなっています。

では、このIQの低さは幼児性とイコールか?というとそうでもなくて、
・個体でジャングルを生き抜く能力を持っている
・他の動物とのコミニュケーションを取り、社会生活を営んでいる
・自由である
つまり、動物の世界の中では自立した「成体」として描かれているわけです。
これはある意味「ユートピア」なのではないか。誰だって日がな一日ゴロゴロして遊んで、お腹が減ったらおまんじゅう食べたいはず。ぼくだってそうしたい!


「ズートピア」のほうは、「動物のユートピア」を謳っている反面、実際は弱肉強食や過当競争の社会を生き抜かなければならない。これは「けものフレンズ」と対象的です。(けもフレは食生活に関しては、「じゃぱりまんじゅう」という万能フードのおかげで弱肉強食というくびきから開放されています。)



では「ズートピア」が面白くないかというと、そうでもなくて、個人的には過去の動物擬人化作品の中ではトップクラスのエンターテインメントだと思います。
張られた伏線やギミックがパチパチと嵌っていく展開は圧巻。一方、「けものフレンズ」のほうにも謎やギミックが仕込まれていますが、こちらは視聴者の判断に委ねる部分が大きい。

ともに、やや子供向けの作品ですが、ズートピアが「ディズニーの映像作品・物語」であるのに対し、けものフレンズは「ディズニーランド的アトラクション」に相当すると思います。パークを訪れた視聴者が、その空間を楽しんで、そして帰ってゆく。そんな作品となっています。

見る順としては、「ズートピア」で脳を練り込んだあと、「けものフレンズ」を観て思いっきり頭のネジを緩めると2倍楽しいのでおすすめです。
ということで「けものフレンズ」と「ズートピア」でした

深い考察をさぐりたい方は、Twitterの#けものフレンズ考察班 - Twitter検索をピックアップして読むと面白いかも。ではまた!

2017/03/29 一部加筆修正しました