※前回の記事から分離

動物(フレンズ)たちのドタバタを描くアニメ「けものフレンズ」
今回は、瞳の描き方に注目してこのアニメを紐解いてみましょう 

番組開始時から、「絶滅動物のフレンズは目のハイライトが消えている」ということで話題となりました「けものフレンズ」

今回は、そこから一歩踏み込んでアプリ版とアニメ版の「けものフレンズ」における知能の表現の妙についてご説明します。

まずは図解。
けもの
アニメに先行する形のアプリゲーム版「けものフレンズ」(現在はサービス終了)は、吉崎観音先生のコンセプトデザインをそのまま活かしたタッチとなっています。特徴は「目が小さく、離れている」という点。
一方アニメ版は「目が大きく、寄り目」という違いがあります。


古くからの漫画的技巧で、「目が離れていて上についているほど、年齢が上」という表現方法があります。
この法則から考えると、アニメ版のほうが幼く見えるのですが、ここに「動物」という予想祖が加わった時、逆転現象が起こります。

自然界・弱肉強食の世界では、食物連鎖のピラミッドの上に行くほど「目が寄っている」という法則が存在します。草食動物などは周囲に目を配る必要性から、目が頭蓋骨の側面に位置していることが知られています。

つまり、マンガの世界の描き分けでは「幼児性」を表す「寄り目」が、自然界の中では「強者」を意味するアイコンとなるわけです。

同じけものフレンズでも、フレンズの置かれている状況が異なる点にも注目。
アプリゲーム版では、まだパークが存続していますので、フレンズたちは「システムに庇護されている状況」
一方、アニメ版ではパークが崩壊していますので、キャラクターデザインにおいても「自立して、大自然で生き抜く強さ」を内包しています。
※コミックス版はこの中間。


また、この「目の描き方」は各フレンズで共通なので、「肉食動物」「草食動物」といった格差を感じさせない、フレンズ同士でお互いを見つめ合って、助け合うという物語の方向性を表す重要な要素となっています。
「アニマル生態もの」でありながら、「弱肉強食」を気にせず安心して観ていられるのは、このあたりに秘訣がありそうですね。