国内では2017年1月に公開されたマーベル・シネマティック・ユニバースの第14作目『ドクター・ストレンジ』が早くもBD,DVDで発売。
かなり面白かったので、今回は映画の感想を。 


■  ドクター・ストレンジ|映画/ブルーレイ・デジタル配信|マーベル|Marvel| 
2017年公開(海外では2016年)

あらすじ
ニューヨークの天才外科医、スティーブン・ストレンジが自動車事故に遭い、医師として挫折した後にカトマンズで魔術の才能に目覚め、マーベルヒーロー「ドクター・ストレンジ」として生まれ変わる成長物語。

アイアンマンやキャプテン・アメリカなど、肉体的強化がメインのマーベルヒーローの中では異色の「魔術・精神世界」が武器のヒーローです。

ここがすごいよストレンジ 1「最新の映像表現」
「魔法」という、わりと映画界では古い題材を最新のCGとSFXで表現。観たことのない万華鏡のような世界を迫力の映像で描きます。高層ビルがひっくり返ったり、別次元のトリップするような映像ドラッグ表現は必見。

ここがすごいよストレンジ 2「飽きさせない展開」
肉体的に挫折した主人公がアジア的な精神修行を行い強くなる展開は、これまでに『バットマン・ビギンズ』や『ミュータント・タートルズ』などいくつかのヒーロー作品でも描かてています。
なので、同じフォーマットで描くと「あれっ、これどこかで観た…」と、観客を飽きさせる原因になりかねません。『ドクター・ストレンジ』では、あえて師匠であるエンシェント・ワンを若い白人女性(ティルダ・スウィントン)に置き換え、他のキャラも現代風にアレンジしています。

※このあたりは、映画界の白人偏重問題と絡むのですが、監督のコメンタリーでその起用について言及されています。

ここがすごいよストレンジ3「体を張ったアクション」
CGエフェクトに注目されがちな本作ですが、メイキングを観るとその見解が覆されます。ドクター・ストレンジ演じるベネディクト・カンバーバッジ自らがワイヤーアクションに挑戦。天地が裏返るバトルシーンでは実際に回転するセットが組まれ、その中をカンバーバッジが飛び回ります。
修行や格闘で用いられる体術は、本作のために独自に編み出されたオリジナルのもの。BBCのシャーロックなど、知性的な役が多いカンバーバッジの体を張ったアクションが見られる珍しい作品となっています。


ここがすごいよストレンジ4「大規模な撮影現場とセット」
序盤のチベットのシーンは実際にカトマンズで行われ、待ち行く人などは現地の一般市民の中で行われています。(その後、カンバーバッジが見つかり大騒ぎになりました)
寺院やサンクタム(秘密結社の拠点)は大型の撮影セットを建造。歴史と伝統が感じられる舞台設計が素晴らしいです。
クライマックスの…このあたりは実際に映像を見てもらったほうが良いのですが、街をまるごとセットで再現。その規模と迫力は必見です。
もちろん、従来のブルーバック+合成という主砲も用いられているのですが、メイキングを観ると「ここCGでしょ…」と思っていたところが実際の演者で撮影されていたりして、かなり驚かされます。


まとめ

これらの要素はすべて、制作陣(特に監督スコット・デリクソン)の「お金を払って見に来てくれている観客が満足するようなエンターテインマントにしたい」という強い意向が形となったもの。シーンの合間にクスッとくる笑い要素も盛り込まれ、個人的に、マーベル映画の中でも1,2を争う娯楽作ではないかと思われます。マーベルおなじみのスタン・リーのカメオ出演やスタッフロール後のお遊びもあり。BDにはコメディ短編「チーム・マイティ・ソー」の続編も収められています。

ドクター・ストレンジ (映画) - Wikipedia