2017年にノーベル文学賞を受賞した日系イギリス人小説家カズオ・イシグロ氏の『わたしを離さないで』
2010年にイギリスで映画化、2016年にTBSで連続ドラマ化されました。
リアルタイムでは見ていなかったのですが、ノーベル賞受賞に関連してドラマ版が再放送していましたので、これを機会に視聴してみました。
※若干ネタバレあり
『わたしを離さないで』
>わたしを離さないで - Wikipedia
奇妙な孤児院で育った主人公が、その生い立ちから過酷な運命と社会システムに翻弄されてゆくSF作品。
クローンや臓器移植が題材とされ、未来の奴隷制度的なセンセーショナルな内容。
原作や映画版は1990年代のイギリスが舞台ですが、ドラマ版(全10話)では舞台を日本に変更、綾瀬はるかさんが主演を努めました。
自分は基本的に、ドラマはあまり見ない方なので、「何か純愛ものかな?」と事前情報の無いまま視聴したのですが、これが面白い!設定や展開は『世にも奇妙な物語』の拡大版といった感じで、不気味で悲しいストーリーにグイグイ引き込まれていきます。表題にある「わたしを離さないで」のシーンでは、背筋がゾワッとしました。
いちおう設定はSF的であるものの、場面はほぼ現代劇で、サイバーな感じではありません。難しい設定なので普通のドラマを期待した視聴者にうけたのかどうか心配になりますが、平均視聴率は6~7%となかなかの数字のようで、意外でした。日本人はわりとSF作品に対する受け皿が広いように感じます。子供向け作品でもタイムパラドクスとかバンバン出てきますしねw
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クローンが題材の関連作品を2つご紹介
人間の奴隷・道具としてクローンが描かれる作品は古くからあります。
先月、35年ぶりに続編『ブレードランナー2049』が公開された
『ブレードランナー』
(1982年作品 原作:フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』)
は、SF映画の傑作。
原作では題名の通り、人造人間「アンドロイド」が登場、映画版では、より生体に近い「レプリカント」が登場。労働力として過酷な環境にさらされる設定は「わたしを離さないで」と共通するところがあるかも。奇しくも、両作品ともに早川書房から翻訳版が発売されているところも面白いですね。
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『わたしを~』に近い設定の作品としては、マイケル・ベイ監督の
『アイランド』
があります。自分が真っ先に思い浮かべたのはこちらの『アイランド』
臓器提供のためだけに閉鎖環境で育てられた男女の物語で、主演はユアン・マクレガー、スカーレット・ヨハンソンと豪華でエンターテインメント性に富んだ(怖い)作品です。『私を~』と比べると、後半の展開はかなりダイナミック。
小説『私を~』発売と映画『アイランド』公開がほぼ同時期の2005年春というのも、因縁を感じます。
現実世界では、話題となったクローン実験「ドリー(羊)」が1999~2003年の出来事なので、そこから題材を得たとも考えられます。
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この他にも、SF作品では人造人間の悲哀が描かれたものが多いですね。
個人的にオススメなのは
ロボット・人工知能
AI(エーアイ)
監督スティーブン・スピルバーグ 主演ハーレイ・ジョエル・オスメント
I, Robot(アイ,ロボット)
主演ウィルスミス
アンドリューNDR114
主演ロビン・ウィリアムス
ターミネーター
監督ジェームズ・キャメロン 主演アーノルド・シュワルツェネッガー(1、2作)
エイリアン
監督リドリー・スコット 主要サブキャラとしてレプリカントが登場
クローン人間
エンド・オブ・デイズ
主演アーノルド・シュワルツェネッガー
バイオハザート
主演 ミラ・ジョボビッチ
スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃など
ちょっと変わったところでは、疑似人格を扱った『トータル・リコール 』(主演 シュワルツェネッガー)などもあります。
個人的に、主人公が「自分は何者なのか?」と問う展開が好きなので、これらの作品は繰り返し見ていますね。中にはハリウッド的アクションものもありますが…w
ということで、『わたしを離さないで』とその関連作品でした。
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